STUDIO ARTISAN からだとこころのいろいろ

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呼吸法についてのおはなし

今日はクラス内でとりいれている『呼吸法』について書いてみたいと思います。


現在クラスに通っていただいている方も、これから参加してみようかなと考えている方もどんな効果があるのか、読んでみていただければと思います。


わたしは今まで、バレエを基本としたダンスのワークショップ等でアメリカ・スペイン・フランス・イタリア・カナダなどの欧米の講師からからだの使い方を学んできましたが、その一方で日本人の骨格にとって適切なからだの使い方を探すために能や古武道などからもヒントを得て、また、整体師の方などからもからだの仕組みを教えてもらい、いろいろな呼吸法を試してきました。
そして、だんだんと自分のからだに合う呼吸法をみつけてきました。

また、クラスを通して皆さんのからだと向き合う中で、だんだんと皆さんのからだの内部の情報を読み取る事が出来る様になってきました。

なので、どこがねじれているのかとか、からだの内部がどういう状況なのかとか、どういうアプローチをしてほぐしていったらいいのかとか、感覚を共有しながら改善策を提案できればと思っています。


わたしが利用している呼吸法はいわば先人の方々が発見した『いいとこどり』なので、「こういうことなんですよ」って簡単に提示出来ないはがゆさがあり、実際にからだは十人十色、百人百色でみんなちがうので、わたしに合うからってバッチリ皆さんにもハマると言い切れないところもあります。

でも、からだやこころの状態を保つメンテナンス方法として『呼吸』というのはとても役に立つものなので、皆さんのからだが良い状態で保たれるよう、呼吸法について少しでもお伝え出来たらと思って励んでいます。




その1『腹式呼吸

読んで字のごとく「腹式呼吸」の逆の動き(息を吐くときにおなかをふくらまし、吸うときにひっこめる)をする呼吸法です。

気功や古武道などで訓練方法として用いられ、『丹田呼吸法』ともよばれているようです。

息を吐くときにお腹をふくらますことで、内臓を包んでいる腹腔(ふっこう)の中の気の流れが良くなるため、内臓器官への血液の流れを促す効果があり、これにより、内臓器官が元気になって胃腸を丈夫にしてくれたり、内分泌機能を整えたりしてくれて、病気を防ぐ、ストレスに負けなくなる、若返る!などいいことづくしの効果があります。

※わたしが行っているクラスでは、この「息を吐くときにお腹をふくらます」というところを抜粋して利用しています。



その2『鼻呼吸

通常、腹式呼吸や逆腹式呼吸では鼻と口と両方利用して呼吸を行いますが、わたしが行っているクラス内では基本的に『鼻呼吸』を利用します。息を吸う時も吐く時も、鼻から行うという呼吸法です。

鼻呼吸の効用としては、嗅神経の末端を刺激することになり、本来からだのメカニズムとして組み込まれている呼吸のリズムを脳に思い出してもらうことが出来ることと、口をつかわないため、寝ている間に喉がかわいたり、口の中が乾燥するということがなくなります

※クラス内でストレッチなどをしている間は、可能な限り鼻呼吸を意識していただいています。



その3『聖音呼吸

「アー」とか「オー」とか「ンー」という音をからだに響かせる呼吸法です。

ヨガなどで精神を統一させる訓練方法として用いられており、「ンー」の音はからだの内在力を目覚めさせるため丹田に力が入りやすく、からだの血液を中性にする効果があるとのこと。

また、『聖音呼吸』をしていただく際にのどや首に力が入るとからだに音が響かなくなるので、自分が首やのどやあごを緊張させているかどうかの目安にもなり、続ける事で首・肩のこりや偏頭痛の改善がみられています。

※クラスでは鼻から息を吐くときに、「ンー」の音を用いて呼吸をしていただいています。



以上の『逆腹式呼吸』『鼻呼吸』『聖音呼吸』の呼吸のいいところをかけあわせて、独自の呼吸法(仮にハミングブレスと呼びます)を行っています。


実際のクラスの中では、からだの中心を意識しながらハミングブレスを行っていただき、からだの緊張を解き(=ゆるめる)、呼吸筋となる「深層筋」を使えるようにしていきます。

呼吸というのは神経系のエネルギー源となるため、呼吸がうまくからだに送られると、不思議なことにからだが自動的に調整をはじめて、勝手に動き出します。

ハミングブレスを実際にやってみていただくとわかりますが、腹腔内に息を送る事で固まってねじれていた腹筋などがゆるんで伸びようとしたりするので、背中がうにょうにょって動いたり、お腹のなかがブワっとゆるんだり、腕が伸びようとしたり足の裏がつったり…と、いろいろなことが起こります。


からだが勝手に動くのでとても不思議な感じがしますが、ここから先のメカニズムは頭で理解するよりも、クラス内で実際に“体感”していただいた方がわかりやすいと思います。


このハミングブレスをしながらストレッチを行っていただくことで、下記のような効用が期待できます。

・脚の形がよくなります(O脚などの改善)。
・からだの関節の連動性がでてきて、疲れにくいからだになります。
・内臓が本来あるべき場所に移動していき、骨格が整います。
・徐々にからだの左右差がなくなり、顔面のたるみやゆがみがなくなってきます。
・集中力が高まります。
・免疫力アップでかぜをひきにくくなります。
・肌ツヤがよくなります。
・婦人科系の症状や泌尿器系の諸症状の改善(生理痛や膀胱炎の改善など)がみられます。
・胃腸が丈夫になります。
・腰痛が軽減されてきます。
・脚(足)の力がつくことで、バレリーナのような美しい首のラインがでてきます。
・猫背が改善されます。
・背肉、お尻、二の腕などの脂肪が筋肉に変わり、締まってきます。


【ハミングブレスのやり方】を参考までに載せておきます。

1、仰向けに寝てひざを立てた状態で、あしを中心に寄せます(ひざ/かかと/親指の付け根をくっつける)。
2、目を閉じて、鼻から息を吐きながら「ンー」という音をからだに響かせてお腹をふくらましていきます。
3、お腹をふくらませたまま息を止めて、鼻から吸います(お腹はふくらんだまま)

基本は1〜3を繰り返すという方法ですが、手を合掌の形にしたり、腕を伸ばしたり反らせてみたり、呼吸を行う姿勢などはそのときによって変わります。


以上、ちょっとわかりにくい部分もあるかと思いますが、なんとか文章にしてみました。

もしも質問がありましたら、分かる範囲で精一杯回答したいと思いますのでお気軽に声かけてくださいね〜。