切ない思い出

わたしは子供の頃から「大人の事情」が苦手です。

 

お風呂に入っていたら、20年前の出来事を思い出してしまいました。

 

高校の修学旅行で北海道に行きました。

普通はホテルに泊まるものですが、その旅行の最初の1泊は2〜3人組に分かれて

酪農家のお宅に泊まって[酪農体験をしてみよう!]というこちらからお願いした訳ではない企画が盛り込まれておりました。

 

わたしとペアの友人。

二人で向かったお宅に着いて、ご挨拶。

一言目だったかは定かではありませんが

「本当は嫌で断ったのに無理出迎えることになった」と言われました。

「・・・?」

わたしと友人は何がなんだかさっぱり。

「本来あなた達を受け入れるはずのお宅の人が具合が悪くなったから、代わりにウチに話が来たんだ。」

「嫌だって言ったのに無理やり決まったんだ」

「朝は起きてこなくていいから」 

「・・・・・・・・?」

さらに意味がわかりません。

 

その後、ご自宅に招かれ、夕ご飯に北海道と言えばこれっしょ!的なジンギスカン鍋が出てきましたが、

明らかに歓迎されていないことだけはわかったので、気まずい雰囲気の中で食べた記憶はありますが、味もへったくれもありませんでした。

 

翌朝、本来なら4時か5時に起きて牛の世話をしたり、乳搾りをしたりと

何かお手伝いとも言えないくらいの体験をさせてもらえる予定でしたが

ご主人の宣言通り、

なーんもさせてもらえるわけもなく、

普通に7時くらいに起きて搾りたての何かのミルクを飲んだような・・・

味の記憶は残念ながらありませんが。

 

最後に

社交辞令的な【桜の木】というのを植えて写真だけ撮りました。

手紙送ったっけかなー

覚えてませんが、その方々とはそれっきりです。

 

次の日、みんなと合流。

チーズを送ってもらう約束をしたとか

夜通しカラオケして盛り上がったとか

牛が可愛かっただとか

なんやらかんやら盛り上がる同級生達。

 

もちろんわたしと友人は話に混ざれる訳もなく

担任に事情を話し「なんなんすかー!」と。

文句を言ったところで何も変わることもなく

二人すごーーーーく落ち込んでいた記憶があります。

 

大人の事情がわかるようになると

公立の高校と、北海道のその町か村だかが提携していて

毎年酪農体験を受け入れてくれる家を募集していて成り立っているらしく。

でもその町の酪農家さん全員がそのことに賛成している訳ではなかったんですね。

 

わたしがお邪魔したお宅は、農業高校の生徒を1週間くらい受け入れて教えるような本気の酪農家さんだったということで、

だから体験してわー楽しいねー的な女子高生なんか受け入れないよーということだったみたいです。

 

その町のエライ人と、うちの高校だか市だかのエライ人がお互いに勝手に取り決めをして人数や家の計算が合わないからどうにか埋め合わせをしろということで無理やり詰め込んだ結果、

わたしたちが貧乏クジを引くことになったみたいです。

 

そんな「大人の事情」なんて知らんがなー!

 

 

しかしながら、そういう経験があったからですかねー。

人に色々強要することが得意ではないというか、できないのは。

 

強要されて、本当にイヤだったら絶対断ったほうがいいってわかりきっているし

イヤなのに引き受けると、本当にお互いにとってストレスだし、いい方向に進むわけがない。

 

自分で選択すること以外にいい方向に進むなんて、ないんすよ。

 

久しぶりに思い出したら、

あの時のエライ取り決めをした人たち、何かツケが回ってるのかなーとか思ってしまいました。