STUDIO ARTISAN からだとこころのいろいろ

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天才へのあこがれ

シルヴィ・ギエムというフランス人のダンサーがいます。

パリ・オペラ座の主役であるエトワール(トップバレリーナ)で活躍した方ですが、エトワールを引退した今も、ずっと現役ダンサーとして活躍している人です。

バレエ界では知らない人はいない、野球界でいうところの長嶋茂雄さんのような存在です(わたしの勝手な見解ですが)。


持って生まれた素質と、感性と、本人の努力と、全てが完璧に絡み合っているので足の甲は同じ人間だろうかというくらい伸びるし(伸びるという言葉はあてはまらないような感じです)、どこまでも柔軟で完璧な踊りには多くの人が魅了され、憧れてしまうし、わたしも大好きでした。


ちょっと前、家でバレエの写真を整理していたときに、わたしが高校生くらいのときにバレエ雑誌から切り取ってとっておいたギエムの写真がでてきました。

その写真を見て、わたしはいままでずっと

【ギエムのような天才になりたかったんだな】と思いました。


そのときはじめて、そんなことを思っていた自分に気がつきました。
その思いが分かるきっかけは他にもあるのですが、このことをきっかけに、いろいろんなことが腑に落ちて、合点がいきました。


「あ、だからか」って。


小さい頃から、こころのどこかで「いつか天才になれるんじゃないか、誰かがそうしてくれるんじゃないか。」と思っていたような気がします。
自分の才能のようなものを誰かが引きだしてくれたり、そんな奇跡が起こるんじゃないかって。


でも、妄想ではなくてこの現実で「それはないよ〜」って分かっちゃったんですね。


頭ではもちろん分かっていたつもりですが、わたしの中のどこかが何かしらの期待をしていて、あきらめていなかったんだということが分かりました。

でも、その気持ちが分かって、天才になれないことにも気づいたこと自体は、全然悲しいことでもさみしいことでもなくて、むしろ、いとも簡単にあきらめがついてしまって、「じゃあ やるしかないか」って気持ちが切り替わりました。

「天才じゃないから努力して高みを目指すしかないだあねー」

ってわたしの中にいるわたしたち(?)が、全員でそう言ったのです。


うまく言えませんが、何かのきっかけで、頭とこころの中にある【もやもやルーム】が整理されたとき、今までどうしても理解出来なかったことや、わかるのが怖くて見ないようにしていたことが、何事もなかったかのようにわかってしまったり、怖がらずに直視できてしまうようになるようです。


これは人に言われた言葉ですが、

『あなたは長嶋さんにはなれない。でも、王さんにはなれる。』

長嶋さんは天才肌だから、どうあがいてもなれない。でも、努力して努力して長嶋さんと同じレベルにあがった王さんには、あなたの努力次第でなれる可能性があるということです。


毎日の作業の繰り返しで、楽しみながら王さんのように努力して高いレベルにあがれる自分を目指したいと思います。