STUDIO ARTISAN からだとこころのいろいろ

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高い塔を建てるために

わたしは以前からノートに色々と気付いたことを記しています。

持ち運ぶにちょうどよい大きさと重さと書き易さを兼ね備えたノートに出会ったこともあり、ここ4ヶ月くらい、気付いたこと、感じたこと、からだの感覚、インスピーレションなど、【書き記すこと】の作業が膨大に増えてまして、一日の中で結構な時間を使う大事な作業へと変容しています。

わたしが日々のレッスンや講座などで言っているからだの仕組み、構造の伝え方は、こうした日々の作業の中で培われ、練られ、精錬されていきます。

ごはん食べるのと同じくらい、眠るのと同じくらい、エクササイズするのと同じくらい、なくてはならないもの。
わたしの中で大切な作業です。



今日のわたしのノートの気づきはこんな感じです。ちょっと物語みたいになってます。
長いので、読みたい方だけどうぞ。



「数百年、数千年後の後世まで残せるような、みんなにとってシンボルとなるような高い塔を建てよう!」とおもっちゃったとします。

ちなみに、塔を建てる土地は新しく探せません。今与えられている限られた土地しかありません。

『高い高い』塔を建てるためには、反対に、土の中に『深い深い』穴を掘らなければなりません。
いつまでも倒れることのないしっかりとした建物、人がたーくさん入っても大丈夫なような建物を造ろうと思ったら、土台が全てですね。
地震、雨風、いろんなことに対応できるように、穴を深く掘って、さらに基礎となる土台の組み方も工夫が必要です。


とりあえず造ることを決めて、計画を練り、穴を掘りはじめます。

地上がゼロ地点だとしたら、穴はマイナスです。
他の人からは、地上に見えるものはありませんので、掘っている間、外から見ただけではな〜んにもやっているように見えないし、地下で何をやっているか上から覗いたとしても、深すぎてまったく見えません。

というわけで、数年は、その地下にて作業を繰り返す日々です。
初めてのことですから、失敗だらけ。
土に埋まってみたり、あいてほしくない横穴があきすぎたり、雨が降り込んできて土台がぐちゃぐちゃになったりと、いろんなことがあります。

とにもかくにも、まずは、深〜い穴が掘れました!万歳!
地上から一番遠い場所。見上げても空しかない。
ここから建物が立つなんてまだ想像すらし難い。
自分でも、ここからほんとに作業を続けていくことが出来るのだろうかと思ってしまうくらい、穴の深さと暗さに圧倒される時期です。

その後に、その穴の中に土台を組み立てていく作業です。
機材を地下深くに運んでは組んでいく。
めんどくさくてパッとしない、おんなじ作業を何度も何度も、永遠と思うような時間、繰り返すわけですね。
この時期は、あまり楽しい作業をしているようには感じにくいけど、ずーーーーっと続けていくと、運び方や、組み立て方がちょっとずつ上手になって、最後はスピードが速くなります。
そして、段々と、まわりが明るくなって、地上の賑やかさを感じる瞬間が増えてきます。

上から覗いている人に突然声をかけてもらえたりして、自分がやっていることを人に見てもらえている感覚がちょっと嬉しくなったりします。


そんなこんなで、やっとこさ数年かけて基礎を築いてやっとゼロ地点に戻ってきたとします。

まだ地上にはなにも出来ていないです。ゼロに戻っただけだから。

たまたま通りがかりの人が、貼ってある工事の日程を見たら、「えー数年前から工事してんだってー!ウケる〜!なんも出来てないじゃん!こんな場所に、こんな高い塔建てるってそもそも無理じゃね〜?」と、言われて笑われてしまうかもしれません。


でも、見えない場所には着実に造られたものがあります。
誰にも知られずに黙々と造られてきた土台があります。
自分がやってきたことだから、自分の中にそれは確実に在るわけです。


そんなわけで、こっから先はスピードアーーーーーップ!!!
地下での失敗を活かして、入口や階段や、風が吹き抜けるように、窓や踊り場や廊下の構造もちゃんと練りにねってから配置します。
行ったりきたり、登っては降りて、右に行ってはまた左に行って、いちいち動きを確認しながら、何度も何度もうまくいくかシミュレーションしながら、やっと上に積み上げをはじめます。

そして、地下を掘っていた時には考えられない速さであれよあれよという間に、高層ビル顔負けの高い塔の完成です。


今度は、作業を見たくても、進めば進むほど高さが高くなるから、なんの作業しているか、地上にいる方には見えません。

でも、作業しているこちらからは地上ゼロ地点の方々をみることができます。
見上げている顔をこちらが覗くこともできます。

そして、もっと遠くの場所まで見渡すことができます。
どんなことがどんな場所で起こっているのか、どんな人がどこに居るのか、何をしているのか、見渡せるようになります。


そして、ついについに高い塔が無事に完成!バンザーイ!イエーイ!
お祝いです!自分を労い、手伝ってくれたまわりに感謝です。


完成した後は、当初の予定通り、沢山の人に、塔を開放することにしました。
塔の上まで登って遠くを見渡すと気持ちがいいわよ〜と口コミが広がり、だんだんと、人が登ってくれる観光名所になりました。

そうしていくうちに、近くに宿泊所や飲食店も増えて、街自体が活性化することになりました。


もちろん、建物内で走ったり飛んだり跳ねたり、何をしても建物は揺れたり壊れたりしません。
たくさんの人が一度に訪れても、通路が広く造られているので渋滞になることはありません。

塔を毎日掃除をしてくれる方々にも恵まれて、キレイな環境が保たれる仕組みができあがっていきました。


段々と、この高い塔をどうやって造ったのですか?わたしの街にも建てられますか?と質問をされることが多くなりました。

いちいち応えていたら時間が足りないな〜と考えた末、土台の造り方から、構造の仕組みを説明出来るように、みんなにも建てられるように、いろんな場所に建てられる造り方を、書物として書くことにしました。

そうやって、いろんな人に伝えられるようにしました。

その書物は高い塔とともに、数百年の間、大切に語り継がれ、色々な土地に、この塔をモデルとした建物が長い年月の間に次々に建てられ、今なお、たくさんの人に愛されているということです。


ちゃんちゃん。



今日のノートはこれでおしまいです。
わたしが数年かけてやってきたこと、これからやりたいことが頭の中でかっこよくまとまってしまったので、忘れないうちに、文章にしてみました。

ちなみに、ノートには、ほんとは文章じゃなくて絵が描いてあります。
文章にすると長いな〜絵で描くって一発で伝わるからすごいな〜。って、ブログを書きながらおもいました。



現実に実現できますように!
明日からまたがんばります。