STUDIO ARTISAN からだとこころのいろいろ

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芸術はファイトケミカルだ

先日、絵の展覧会に行って絵をみている最中に、フッと、呼吸が楽になったことに気がつきました。
閉館間際の時間だったので、他に観に来ている人がほとんどいなくて、自分たちだけが絵と対面できる空間だったことも大きいかもしれません。

いつもなら、絵を見ているうちに疲れてしまう感覚があったりするんですが、この日は何枚見ても全然疲れなくて、見終わった頃には、むしろ元気になっていました。そして、とても気分がよかった。

ここ数年、いい絵の前に立つと、からだが整うということを体感しているんですが、この日は整うだけじゃなくて、気分も良くなってました。
それで、思い出したことがありました。


数年前に、内臓が弱って、食物をからだに取り込むことが難しくなった生徒さんがいました。
病院で自分の身に起きている事実を告げられてから、いろんなことを勉強されていました。

そして

「人間が生きていく上で必要なエネルギーは食べ物からしか摂取できないわけじゃないらしい」

という考え方に触れ、えらく感動して、わたしにも、そのことを教えてくれました。

その考え方を取り入れるべく、庭にお花を植えたり、好きな写真をたくさん壁に飾ったり、『芸術』という素晴らしいエネルギーに触れるために各地を回って歌舞伎を見たりされていました。

その方が亡くなる前に最後に見た舞台が玉三郎さんの舞台だった記憶があります。
個人的には、なかなか粋な人生の終わり方だなと思っています。

大阪まで玉三郎さんを観に行った後に、その方とお会いしたのですが、遠くを見つめて、感動を今一度味わってから
「わたし分かるよ、分かる。」と、わたしに向かって、言ってくれました。

こころが、魂が、内なるからだが、とても生き生きと躍動されていたことをよく覚えています。


食べ物には「ファイトケミカル」と呼ばれているからだにとってプラスに働く栄養素があるそうですが、
今回、絵画展に行ったことで、『芸術』にもその要素がしっかりあると、確信しました。
音楽でも、絵画でも、舞踊でも、人が感動するには理由なんてわからない何かが存在しているのです。


表舞台に立っているわけではありませんが、「バレエ」という芸術に触れられていること。そして、それを人に伝えられること。

「からだ」という素晴らしい「芸術作品」に毎日触れられること。そして、動かせること。そして、それを人に伝えられること。


『芸術』というファイトケミカルを、自分も人に提供できているということに気がついたら、アホみたいに感動して、号泣してしまいました。


人が元気になるには、いろんな要素が混在するんだと、思っています。
どんな側面からでもいいから、その要素がわたしにもあるってことが、提供できる要素を持っているってことが、単純にうれしかったんです。


学べば学ぶほど、バレエだいすきだなーと自分で思うんですけど、これからも動きを研究して、それをみなさんにお伝えして、たくさん喜んでもらって、元気になってもらって、もっとたのしみたいと思います。

芸術はファイトケミカルだ!