STUDIO ARTISAN からだとこころのいろいろ

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「もう少し生きてみるのもいいかもしれない」

レッスンに参加されている77歳の方のことばです。


60代でご主人を亡くしてから、あまりのショックに2年くらい泣いて泣いて暮らしていた方が、このままではいけないと思って小さい頃習っていたバレエを再開。バレエを踊る喜びを感じながら、少しづつ元気になった頃、わたしはその方と出会いました。かれこれ7年くらい前になりますか。

わたしのレッスンでストレッチの大切さを知ってからは、情熱をもってご自身のからだに語り続け、青黒くなっていた爪を再生させ、胸が大きくなったわと報告してくれた、逆腹式呼吸の効果を体現してくれた方のおひとりです。

肩を骨折しても逆腹式呼吸と指のストレッチで、たいしてリハビリにも通わずに腕がくるくるまわるように復活させてしまい、整形外科のお医者さんをびっくりさせてしまうくらいの方です。

しかしながらそんな方も周りの仲間たちが少しづつ減ってしまうことも手伝ってか
「70歳を過ぎると1年ごとにからだはがぐっと変わるの」とご自分のからだを卑下しながら「おばあさんは長く生きたら申し訳ない。」と、なんだか寂しげに語っていました。

それでも、レッスンにはかかさず毎月参加してくれて、だんだんと元気になって、ご主人のお話をしても泣くこともなくなり、お会いした時より腕は伸び、足も伸び、明らかに『お若く』なってきていました。

先日2週間ぶりにお会いすると、肌はより一層キレイになって、なんだかさらに若返りましたね、と他の方と一緒にお伝えしたら「身長も伸びちゃったのよねー」というおことばも返ってきました。


そして、その方の生命力がそうさせたのでしょうか。

『もう少し生きてみるのも楽しいんじゃないかと思っているんです。』

ってはっきりと、そのようにおっしゃいました。


その時のわたしの感情をことばにすることはできません。

『楽しいことはまだまだあると思います。おおいにたのしんでください。』

わたしに言えたのは、そんなことばだけでした。


からだを整えるには時間がかかるかもしれません。

でも、整った先には、たぶん今の時点で想定出来るような、想像出来るようなことをゆうに越えた『たのしいこと』が、それぞれの人生に用意されていると、そう思わずにはいられないのです。

『たのしいこと』は、よろこびや笑いだけではないかもしれませんが、よろこびや笑いだけかもしれません。


情熱しかもちあわせてないけれど、本気で、全身全霊で、自分のからだと向き合い、みなさんのからだに語り続けたいと、そう思うのであります。