STUDIO ARTISAN からだとこころのいろいろ

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なりたい人・なりたいカラダ

バレエという世界は本当に酷な世界だなーと思っていました。

 

姿、形、容姿がまずモノをいう。

関節の可動域がモノをいう。

筋肉の性質、体力、気力、精神力がないとムリ。

そしてお金を持っているという土台がある。

 

いろんな条件が絡んであの舞台に立てる。

 

小さい頃からバレエを習いながら、

いろんなコンプレックスや思い込みをわたしは蓄えました。

 

自分にはないものがたくさんありました。

親から譲り受けたカラダの部位は

バレエの世界ではよしとされないもの。

あの子の家にはあるけれど

ウチにはない。

 

シルビィギエムのような足の甲になってみたい。

二重関節と呼ばれる股関節の可動域が欲しい。

脚の長い人、脚の細い人、太らないからだ、お金のある家。

いろんなモノに憧れました。

 

あんな風になれと先生に言われたバレリーナ

今のわたしは綺麗と思えない。

なってみたかったスタイルの良いバレリーナ

羨ましいと思わない。

 

今、なってみたい人がいなくなりました。

なってみたいからだというのもありません。

 

自分が持っているモノを認められたら

誰にもなりたくありませんでした。

 

バレエの世界では美しいとは言われないスタイルだけど

そんなに足も高く上がらないけれど

自分が最高に大事にできるからだだと思えたら

いろんな部位が愛おしくなりました。

 

「楽しくバレエを踊ること」ができれば

特に欲しいものなんてないんだなと思います。

 

いろんなモノを外に求めて

人の意見に従って理想に近づこうとして努力しても

自分の持っているモノを一つも認めてなかったことが

とても苦しくて苦しくてしんどかったから。

「楽しい」という感覚を長いこと忘れてしまっていました。

 

 あんな風にはもうならなくていいなーと思います。

 

 自分が見えていた世界が狭かったことも

今の自分にはよくわかる。 

 

 でも

ムリして怪我してでも

努力してきたことで

みなさんと日々レッスンを行える。

そういう事実があります。

 

だから昔の自分の頑張りも

心から認めてあげたいと思います。